今回は、FXの取引手法の中でも最も短期間で売買を行うスキャルピングについて、メリットとデメリットを徹底解説します。
また、スキャルピングで成功するためのコツも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
FXスキャルピングとは?
FXスキャルピングとは、数秒から数分といった極めて短い時間で行う取引のことです。
1回の取引で得られる利益は少ないものの、何度も繰り返すことで大きな利益を短期間で得ることができます。
スキャルピングはFX以外にも株や仮想通貨の世界でよく用いられる取引手法です。
スキャルピングとは「皮を剥ぐ」という意味もあり、細かい取引によって薄皮を剥ぐように、薄い利益を蓄積させていきます。
FXスキャルピングのメリット
FXスキャルピングには以下のようなメリットがあります。
- 価格変動のリスクを抑えられる
- 資金効率の良いトレードができる
- 就寝中のチャートの動きを心配する必要はない
- マイナススワップを気にする必要がなくなる
- 取引経験を積みやすい
価格変動のリスクを抑えられる
為替レートは取引時間中、常に値動きをしています。
そのため、ポジションを保有していると自分が意図しない方向に、上昇したり、下落したりして、損失が発生する可能性があります。
しかしスキャルピングは1トレードあたりの時間が短いので、大きな価格変動にさらされるリスクが抑えられます。
資金効率の良いトレードができる
FXでは、例えば10万円の資金でポジションを保有すると、この10万円はポジションを決済しない限り自由に使ったり、再投資したりすることができません。
しかしスキャルピングは、何度も売買を繰り返すため、同じ資金で何度でもトレードができます。
何度でもトレードができるので、利益を生み出す機会が増えることからスキャルピングは資金効率の良いトレードと言えるでしょう。
就寝中のチャートの動きを心配する必要はない
ポジションを保有したまま就寝すると、その間に大きく為替レートが動いて損失が発生するかもしれないという精神的不安が生じる可能性があります。
しかしスキャルピングは取引時間が数秒から数分という短い取引手法なので、ポジションを保有したまま就寝することはなく、そうした精神的不安は生じません。
マイナススワップを気にする必要がなくなる
スワップポイントは受取る場合も、支払う場合(マイナススワップ)も、ポジションを翌日以降に持ち越したときに発生します。
スキャルピングはポジションを翌日に持ち越すことはないので、マイナススワップを気にする必要がありません。
取引経験を積みやすい
スキャルピングは短時間のトレードを何度もおこなうため、取引経験も蓄積されます。
ただしやみくもに取引をしても、取引経験にはなりません。
取引経験になるトレードは、十分に仮説を立て、仮説を検証したものに限られることを心得ておきましょう。
FXスキャルピングのデメリット
FXスキャルピングには以下のようなデメリットがあります。
- 集中力が必要となる
- トレード環境を整えなければならない
- 取引コストが高くなりやすい
集中力が必要となる
スキャルピングは小さな利益を積み上げるトレードなので、1つ1つのトレードの売買タイミングを常に見落とさないよう、集中力が求められます。
そのため、トレードにあまり時間を割けない人もスキャルピングには向いていません。
また判断力がない人がスキャルピングをすると、売買のタイミングを逸してしまい、利益が積み重ならない可能性があります。
トレード環境を整えなければならない
通信環境が悪かったり、使用しているパソコンのスペックが低かったりすると、発注のタイミングがズレてしまい、思ったような約定価格で注文できない可能性があります。
わずかな利益を積み上げるスキャルピングは、こうした約定価格のズレが命取りになるかもしれません。
スキャルピングをするときは、通信環境、パソコンのスペックといったトレード環境も整えましょう。
取引コストが高くなりやすい
FX会社で取引手数料が必要になることはほとんどありませんが、売値と買値の差額であるスプレッドという形で、取引のたびにFX会社にコストを支払います。
スキャルピングは取引頻度が多いことから、何度もコスト負担が発生し、結果的に取引コストが高くなる傾向があります。
FXスキャルピングで成功するためのコツ
FX初心者でもスキャルピングで成功するためのコツを紹介します。
- 売買判断に迷わない
- スプレッドの狭いFX会社で取引する
- 取引の活発な時間帯を把握しておく
- 利益確定の基準はpipsで設定する
- インジケーターを活用する
売買判断に迷わない
スキャルピングは数秒から数分という短時間で生じる、為替差益を狙うトレードです。
「もう少し上昇するかもしれない」「一旦下落したけれど、もう少し様子を見てみよう」といった理由で売買判断に迷いが生じると、かえって損失の発生や、損失の拡大につながります。
売買判断に迷わないためには、事前にエントリーとエグジットのポイントを決めておくことが重要です。
また、自分の判断に自信が持てない場合は、インジケーターなどの分析ツールを活用することも有効です。
スプレッドの狭いFX会社で取引する
スキャルピングは取引コストが高くなりやすいというデメリットがあります。
そのため、スプレッドの狭いFX会社で取引することで、コストを抑えることができます。
スプレッドはFX会社によって異なりますが、一般的にはドル円やユーロ円などのメジャー通貨ペアの方がスプレッドが狭くなっています。
また、取引時間帯によってもスプレッドは変動しますので、注意してください。
取引の活発な時間帯を把握しておく
スキャルピングは価格変動のある時間帯に行うことで、利益を得やすくなります。
そのため、取引の活発な時間帯を把握しておくことが重要です。
一般的には、日本時間で午前7時から午前10時頃までの東京市場とロンドン市場の重なる時間帯や、午後10時から午前2時頃までのニューヨーク市場とロンドン市場の重なる時間帯が取引量が多く、価格変動も大きくなります。
利益確定の基準はpipsで設定する
スキャルピングでは1回あたりの利益は少額ですが、その分トレード回数が多くなります。
そのため、利益確定の基準は金額ではなくpips(通貨ペアの最小単位)で設定することがおすすめです。
例えば、1回あたり5pips(50円)の利益を目標にするとします。
この場合、1日10回トレードすれば500円、1ヶ月20日間トレードすれば1万円の利益になります。
このようにpipsで設定することで、利益を積み上げるイメージがしやすくなります。
インジケーターを活用する
インジケーターとは、チャート上に表示される分析ツールのことです。
インジケーターを活用することで、売買タイミングやトレンド方向などを判断しやすくなります。
インジケーターには様々な種類がありますが、スキャルピングにおすすめなインジケーターは以下の通りです。
- トレンドライン:相場の安値同士または高値同士を結んだ線で、上昇トレンドや下降トレンドを判断する
- 移動平均線:一定期間の終値の平均値の変化を表したグラフで、トレンドの方向や強さを判断する
- ボリンジャーバンド:移動平均線を中心に上下に標準偏差を表したバンドで、価格変動の範囲やボラティリティを判断する
まとめ
FXスキャルピングは、数秒から数分という短時間で行う取引手法です。
価格変動のリスクを抑えられる、資金効率の良いトレードができるなどのメリットがありますが、集中力が必要となる、トレード環境を整えなければならない、取引コストが高くなりやすいなどのデメリットもあります。
スキャルピングで成功するためには、売買判断に迷わない、スプレッドの狭いFX会社で取引する、取引の活発な時間帯を把握しておく、利益確定の基準はpipsで設定する、インジケーターを活用するなどのコツがあります。
スキャルピングはFXの取引手法の中でも難易度が高いと言われていますが、上手に活用すれば大きな利益を得ることができます。
ぜひこの記事を参考にして、スキャルピングに挑戦してみてください。
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