前回の記事「鉄塔ってどうやって建てているか知っていますか?」の続きです。
鉄塔を建てる理由は遠くの場所まで電気を送るためです。
橋の建設で言えば橋脚を建てたまでに過ぎません。
発電所から変電所までなど送電線を架け高圧の電気を送るために鉄塔は建てられました。
鉄塔は1基建てるだけでは足りません。
何10キロと遠く離れた変電所まで電気を送るためには一体何基鉄塔を建てればいいのでしょうか。
特別な事情を除き、鉄塔間の距離は600m以下と決められています。
山を越えた先の変電所に電気を送るためとは言え、鉄塔を何基も建てる作業は気が遠くなります。
鉄塔から鉄塔との間に電線を張る「架線工事」は通称「ラインマン」が行っています。
高所作業のプロフェッショナルです。
鉄塔は大きなものでは100m以上の高さがあります。
この鉄塔を自力で頂上まで登っていきます。
山間部の鉄塔に電線を架けるのはヘリコプターを利用します。
しかし電線は重いためヘリコプターで運ぶことが困難です。
そのため軽いナイロンロープをヘリコプターで運びます。
ナイロンロープを積んだヘリコプターが鉄塔に近づき、鉄塔の頂上で待つラインマンはヘリコプターから垂れ下がったナイロンロープを掴み鉄塔の先端に固定します。
ヘリコプターは次の鉄塔に移動します。
その間にナイロンロープを滑車に乗せ替えます。
全部の鉄塔にナイロンロープが架かったら電線と入れ替えます。
しかしナイロンロープから直接電線に架け替えることはできないため、ナイロンロープをワイヤーロープと架け替えます。
ナイロンロープの先端にワイヤーロープを結びます。
反対側のナイロンロープの先端を巻き取り機と繋ぎドラムにナイロンロープを巻き取っていきます。
鉄塔に架けられたナイロンロープがワイヤーロープに架け替わったら、今度はワイヤーロープの先端に電線を結びます。
ワイヤーをドラムに巻き取ることで鉄塔に電線が架け替わるのです。
つまり、最初にナイロンロープ→ワイヤーロープ→電線と架け替えているのです。
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