生活習慣病とは、食事や運動、喫煙、飲酒などの日常の生活習慣が原因で発症する病気のことです。
高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満などが代表的な生活習慣病です。
生活習慣病は、がんや心臓病、脳卒中などの重大な合併症を引き起こす可能性があります。
生活習慣病は加齢によるものではなく、自分の行動によって予防することができます。
この記事では、生活習慣病予防のためにできる5つのことを紹介します。
それぞれの対策について、具体的な方法や効果を解説します。
1. 運動する
運動することは、生活習慣病予防の基本です。
運動することで、血圧や血糖値、血中コレステロールなどを改善し、肥満や動脈硬化を防ぐことができます。
また、運動することで筋力や柔軟性、バランス感覚などを向上させ、骨粗しょう症や認知症などの予防にも役立ちます。
運動する際には、以下の点に注意しましょう。
- 自分の年齢や体力に合わせて無理のない範囲で行う
- 毎日少しずつでも継続的に行う
- 有酸素運動と筋力トレーニングをバランスよく組み合わせる
- 運動前後に水分補給やストレッチを行う
- 運動中に体調が悪くなったらすぐに中止する
厚生労働省は、「健康づくりのための身体活動基準2013」を策定しています。
これは、科学的根拠に基づいて、年齢別に適切な運動量や強度を示したものです。
例えば、18歳以上64歳未満の人は、以下のような運動を目指すと良いとされています。
- 週2日以上、筋力トレーニングを行う
- 週5日以上、中強度(息が少し上がる程度)の有酸素運動を30分以上行うか、週3日以上、高強度(息が弾む程度)の有酸素運動を20分以上行う
- 日常生活で歩く距離や階段を使う回数などを増やす
2. 食事に気を付ける
食事は生活習慣病予防に欠かせません。
食事によって摂取する栄養素やエネルギー量は、血圧や血糖値、血中コレステロールなどに影響します。
また、食事の内容や量によって体重も変化します。
肥満は生活習慣病のリスクを高める要因です。
食事に気を付ける際には、以下の点に注意しましょう。
- 一日三食、規則正しく食べる
- 野菜や果物、海藻などの食物繊維を多く含む食品を積極的に摂る
- 動物性脂肪や砂糖などの摂りすぎに注意する
- 塩分の摂りすぎに注意する(一日6g以下が目安)
- アルコールの摂りすぎに注意する(一日20g以下が目安)
厚生労働省は、「日本人の食事摂取基準」を策定しています。
これは、科学的根拠に基づいて、年齢別や性別別に適切な栄養素やエネルギーの摂取量を示したものです。
例えば、18歳以上64歳未満の男性は、以下のような栄養素やエネルギーの摂取量を目指すと良いとされています。
- エネルギー:2,200kcal
- たんぱく質:60g
- 脂質:50~70g
- 炭水化物:300~400g
- 食塩相当量:6g以下
3. 禁煙する
喫煙は生活習慣病予防にとって大敵です。
喫煙は、がんや心臓病、脳卒中などの重大な疾患のリスクを高めるだけでなく、血圧や血中コレステロールなどを悪化させることもあります。
また、喫煙は肺機能や免疫力を低下させることもあります。
禁煙する際には、以下の点に注意しましょう。
- 自分の禁煙の理由や目標を明確にする
- 禁煙外来や禁煙支援サービスなどを利用する
- 家族や友人などに禁煙宣言をする
- 喫煙欲求が高まったときは、水分補給やガムなどで気分転換する
- 禁煙したことで得られるメリットを意識する
国立がん研究センターは、禁煙することでがんのリスクが低下することを発表しています。
例えば、喫煙者に比べて、
- 禁煙して10年で肺がんのリスクが半分になる
- 禁煙して5年で口腔・咽頭・食道・膀胱・頸部・膵臓がんのリスクが低下する
とされています。
4. 飲酒に気を付ける
飲酒は適度であれば生活習慣病予防にも役立つとされています。
飲酒は血管を拡張させて血流を改善したり、ストレスを和らげたりする効果があります。
しかし、飲酒は過度になると逆効果です。
飲酒は、
- 肝臓や胃などの消化器系の病気のリスクを高める
- 血圧や血糖値、血中コレステロールなどを悪化させる
- 肥満や動脈硬化などのリスクを高める
- 睡眠の質を低下させる
といった悪影響があります。
飲酒に気を付ける際には、以下の点に注意しましょう。
- 一日の純アルコール量を20g以下にする(ビール中ジョッキ1杯、日本酒一合、ウイスキー一杯などが約20gに相当)
- 飲酒するときは食事と一緒にする
- 飲酒のペースをゆっくりにする
- 水分補給やつまみを工夫する
- 飲酒しない日を作る
厚生労働省は、「健康づくりのための飲酒指針2015」を策定しています。
これは、科学的根拠に基づいて、年齢別や性別別に適切な飲酒量や注意点を示したものです。
例えば、18歳以上64歳未満の男性は、以下のような飲酒量や注意点を目指すと良いとされています。
- 一日の純アルコール量は20g以下
- 週2日以上は飲酒しない日を作る
- 飲酒するときは食事と一緒にする
- 運転や仕事など飲酒が不適切な場面では飲酒しない
5. 睡眠をしっかりとる
睡眠は生活習慣病予防にも重要です。
睡眠は、体や心の疲れを回復させたり、免疫力や記憶力などを向上させたりする効果があります。
しかし、睡眠が不足したり、質が悪かったりすると、以下のような悪影響があります。
- 血圧や血糖値、血中コレステロールなどが悪化する
- 肥満やメタボリックシンドロームなどのリスクが高まる
- 精神的なストレスや不安が増える
- 集中力や判断力などが低下する
睡眠をしっかりとる際には、以下の点に注意しましょう。
- 一日7時間前後の睡眠時間を確保する
- 定期的で規則正しい睡眠リズムを作る
- 寝る前にリラックスできる習慣を持つ(入浴、読書、音楽など)
- 寝室の環境を整える(温度、湿度、明るさ、静けさなど)
- 寝る前にカフェインやアルコールなどの摂取を控える
厚生労働省は、「健康づくりのための睡眠指針2014」を策定しています。
これは、科学的根拠に基づいて、年齢別に適切な睡眠時間や質を示したものです。
例えば、18歳以上64歳未満の人は、以下のような睡眠時間や質を目指すと良いとされています。
- 一日7時間前後の睡眠時間を確保する
- 睡眠の質を高めるために、睡眠前後の生活習慣や睡眠環境に気を付ける
- 睡眠障害や睡眠時無呼吸症候群などの症状がある場合は、医療機関に相談する
まとめ
生活習慣病は、自分の行動次第で予防することができます。
この記事では、生活習慣病予防のためにできる5つのことを紹介しました。
それぞれの対策について、具体的な方法や効果を解説しました。
生活習慣病は、一つの対策だけではなく、複数の対策を組み合わせて行うことで効果が期待できます。
自分に合った対策を見つけて、日々の生活に取り入れてみましょう。
生活習慣病予防は、自分だけでなく家族や友人、社会全体の健康にも貢献します。
みんなで協力して、生活習慣病予防に取り組みましょう。
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